最近、複数の受講生が楽器を買い替えたか、買い替えの途中です。
どんなにたくさんの楽器が、その価値と値札との間に大きな隔たりがあることか。いわゆるニセブランドも蔓延しています。楽器の中に貼ってある作者ラベルと実際が違う、ということ。
買い手側に楽器の価値判断ができないのをいいことに、お店の人がいかにもそれらしく説明して信用させ、安物を高額で売る。もしくは楽器屋さん自身が未熟で判断力がない。他の商品でもよくあること、人気商品だというだけで価値以上の値が付く。
全部の楽器商がそうだとは言いませんが、儲かるからという理由で、少々怪しい楽器でも売ってしまうお店があるのは事実なので、買い替えを考えている人はよくよく注意しましょう(どう注意すれば良いか分からないか・・)
そもそも弦楽器は何が人気なのでしょう。答えは簡単、イタリア製、その中でもストラディバリが住んでいたクレモナという街。
特にブランド志向がある日本はこの傾向が強く、イタリア製は他の国の製品より2~5割くらい高い。
それが本物ならまだしも、実は中国や韓国製だったり、ヴァイオリン製作学校の学生の習作だったり、果ては、趣味用のヴァイオリン製作キッドを組み立てただけの素人仕事まで。それらにどっかから調達してきたイタリア製を示すラベルを貼って○○万円で市場に出す、というわけ。
こういう詐欺まがい商売は昔から横行していて、例えばストラディバリそっくりの楽器を作り、それに本物の楽器から勝手にはがしたラベルを貼りつけて売ったり、またはレッテルを偽造したり。
よほど楽器製作に精通している人でないと見抜けないです。たとえニセ物でも値段相応の音が鳴ればなおのこと。
私は、元々あまりブランドに左右されない性格で、楽器に関しては、弾いた感触=自分のセンサーで判断して選り分け、あとから製作者や値段を確認する、という段取りで楽器を選び出してきました。また、正直に商売をする楽器屋さんと長年付き合ってこれたので、楽器の実質的な価値と値段の相関関係を「耳」で判断することができるようになりました。しかも、これまで自分や生徒たちの楽器を選定するのに、あらゆるグレードの少なくとも300台を下らない数の楽器を弾いてきた経験は確かな財産になっているようで、最近は、ほんの10秒試奏しただけで、どの楽器を買うべきか即決できます。教える立場としては、生徒が損をしないように手助けをすることも仕事の大切な一部分と考えています。また、(値段相応の)質の良い楽器で弾くことは、技術の向上に直結します。今後、楽器の買い替えをする人は、楽器の外見や産地に惑わされずに、とにかく五感で判断しましょう。
・・・この数日間ずっと考えていたことを綴ってみました。批判もらっちゃうかもね。