国内版の主なViolin教則本や練習曲は、ずっと昔から同じ本が主流です。基本的には子供が習うことを前提として編集してあるので、うちの教室のように大人になってから習う人達にとっては、掲載曲や基礎練習のパターンが年相応でなかったりします。
Viola教則本に至っては、ほとんどがViolinの本をそのまま移行させているだけです(オリジナルもありますよ)。音列が細かすぎて弾きづらいのなんのって。

何か良い教則本はないかと思って、数年前にロンドンに行った際に楽譜屋さんを覗くと、教則本の充実したラインナップに驚きました。さすが音楽文化の奥行きが違います。
その中で目を引いたのが、バロックのデュエット曲集でした。バッハ、ヘンデル、テレマンなどの鍵盤曲を弦2本にアレンジしてあるのですが、易しい曲から徐々に難易度が上がっていく選曲と、本来の作品としての完成度の高さが、大人向けの練習曲として最適と感じました。しかも、Violin用とViola用の二種類あったのです。両者の中身は同じ曲もありますが、各々の楽器の技術に応じて、Violin用の方が難しい曲が多いのも、よく考えられていて気に入りました。
現在、それらは、各受講生にコピーを渡して、レッスンで大活躍しています。バロック曲は短いモチーフ旋律を重ねて曲が作られているので、ボウイングやフィンガリングの反復練習にうってつけなだけでなく、和声感を養う練習や、誰かと一緒に息を合わせて音楽を演奏する練習として、まさに万能選手です。
受講生同士で合わせることもありますが、たいていは私と組んで合わせますので、テンポ感をどう感じれば良いかも体感できるようです。
受講生からも、楽しい、フィンガリングの使い回し方がよく分かる、など、評判は上々。
ところでこの教則本、イギリスの出版社だと思っていたのですが、よくよく見ると、価格がドルで書いてありました・・・