きれいなボウイングのための練習方法
ヴァイオリンやヴィオラのボウイングは難しいです。美しい・余計な力が入っていない形は、体得するのが本当に大変です。
発表会後、多くの受講生の課題として出すようにしています。ものすごく根気のいる、地道な練習を求めることになります。
理想的な形で弾いた時と、悪い形で弾いた時の音色の違いを聞き取って、今自分がどういう音を出してしまっているか、どこをどう直すべきなのかを冷静に判断できないと、なかなか良い方向には進んでいかないと思うので、それを教えた全員がマスターするのは難しいでしょう。
でも「自分の弾き方のどこが良くないのか」だけでも把握できれば、そこを気にするようになると思うので、長い目で見れば少しずつ改善していくかもしれません。
以下の写真はレッスンの様子ですが、この受講生の奏法が良い、というわけではなく、
このように、鏡を見ながら肘の高さや腕の振り方を練習させる、
という私のレッスン方法をご紹介しているものです。

■最も大切な「前提となる姿勢」・・・足を肩幅に開き、右足を少し後ろにずらして安定させる
脇が締まっていること。左右どちらも同じです。腕を身体の正面で真っ直ぐ伸ばし、肘の内側を真上に向けた姿勢が脇が締まっている状態です。その状態で腕を左右に開いても、肘の内側が真上を向いている限り脇は締まっています。お相撲さんの土俵入りの恰好です。
そして、左腕は、肘を曲げるだけで楽器をもつ姿勢になり、右腕は、前腕(肘より先)だけをねじって下向きにします。肘を境にして、上腕は上向き、前腕は下向きのねじれ姿勢です。首筋から肩のラインは「なで肩」を意識して、肩が不用意に上がらないようにします。
■腕の位置、指の形
腕は弦と同じ高さをキープします。肘が弓より高くなると、上からのしかかったような体勢になってしまい、かえって弓と弦がうまく絡みません。指は五本とも自然な丸みがある。特に親指が伸びている場合が多いが、親指もきちんと曲げる。
■弓の根元を弾く時
弓の根元ギリギリを弾くためには、肩甲骨の横の筋肉を使って腕を前に押し出す。そして腕全体を前後に振るような仕草でダウン、アップを弾く。
■弓の中盤~先で弾く時
根元が正しく弾けた場合、弓の中盤にさしかかった時に肘が身体の真横に来ているはずなので、後は前腕を進行方向に向かって更にねじるような感覚で肘を伸ばしながら弓先まで弾く。その時に意識される筋肉は前腕の内側の筋肉。親指を曲げ続けていればその筋肉が反応する。
弓先からのアップは、肘を直角まで曲げる。親指を伸ばしたり手首を折って弓を吊るような仕草は絶対にしない。
<練習方法>
音階や単純なエチュードを、元半分だけ、先半分だけで弾く。その際staccato奏法にすることで、瞬発力を使って動作するように心がける。
それができたと思ったら、元と先を連続して(元と先の連結部分に休符を入れながら)弾く。最後に2音ずつスラーで弾き、元と先の動作が滑らかに連携できるようにする。
言葉で説明すると、かえって難解になってしまいますね。お手本を見ないと理解できないかもしれません。